日本の永住ビザは、外国人が日本に永住するための権利を与える重要な在留資格です。しかし、永住ビザを持っていても、その資格が取り消されることがあります。永住ビザの取り消しには、さまざまな理由があり、その手続きや基準については知っておくことが重要です。この記事では、2024年12月時点での永住ビザ取り消しについて解説します
永住ビザ取り消しの主な理由
日本で永住ビザを取得した外国人の在留資格が取り消される主な理由は以下の通りです。
単純出国により永住ビザ取消し
これは再入国許可やみなし再入国許可を取らずに日本を出た場合です単純出国は全ての在留資格(ビザ)を消去してしまいます。
再入国許可やみなし再入国許可の期限を過ぎて永住ビザ取消し
次は再入国許可の期限オーバーです。再入国許可は二種類あります。
ひとつ目は入管局で取得する本格的な再入国許可です。こちらは1回切りの許可と何度も使える物があります(大半は何度も使える数次の再入国許可を取る)
もう一つはみなし再入国許可ですみなし再入国許可は期限が1年となっています。こちらは出国時の空港で取得できるものです(出国カードにチェックを入れるだけ)
うっかりチェックを入れ忘れるとエライ目に遭います。
虚偽申請での永住権取得が発覚した場合
永住ビザを申請する際に虚偽の申告をした場合、または後に事実が発覚した場合、そのビザは取り消される可能性があります。たとえば:
申請時の収入証明書などの偽造:申請時に経済的な証明書や収入を偽った場合。
不正な婚姻や親子関係:永住ビザを取得するために偽装結婚や虚偽の親子関係を申告した場合。
法令違反・犯罪歴
永住ビザ保持者が重大な法令違反や犯罪を犯した場合、ビザの取り消しが行われることがあります。特に、以下のようなケースでは取り消しが考慮されます:
- 刑事犯罪の有罪判決:暴力犯罪や薬物犯罪、重大な詐欺など、社会に対する重大な影響を及ぼす犯罪を犯した場合。
- 不法滞在や在留資格の不正取得:永住ビザ取得後に不法滞在をしたり、虚偽の情報でビザを取得した場合。
- 暴力団関係者との関わり:暴力団やその関係者と関わりがある場合、永住ビザが取り消されることがあります。
社会秩序への悪影響
永住ビザ保持者が日本社会に適応せず、社会秩序を乱す行為を行う場合、ビザが取り消されることがあります。たとえば:
- 日本の法律や社会ルールを無視した行動:繰り返し法律違反を犯したり、日本社会に悪影響を与える行動を取った場合。
- 公共の安全に対する危険性:公共の秩序や安全を脅かす行為をする場合(例:テロ活動に関与、過激な行動を取る等)。
居住地の届出を90日以上怠った。
この住所変更後90日以上放置すると永住権取消しの対象になります。
手続き自体は市役所で在留カードと申込用紙1枚て移出するだけなので忘れずに行いましょう。
また虚偽の住居地を届け出ることも永住取消の対象となります。
退去強制(強制送還)に該当した場合
退去強制は入管法第24条に規定されています
麻薬や覚せい剤、売春などの罪や不法入国関連の犯罪、暴行や傷害などの罪で懲役や禁固刑に該当した場合などです
永住ビザ取り消しの手続き
永住ビザが取り消される場合、通常は日本の入国管理局がその決定を行います。取り消しが決定した場合、本人に通知が届き、一定期間内に日本から出国することが求められます。取り消しの手続きには次のような流れがあります:
- 事実調査:永住ビザ保持者の行動に問題があると疑われる場合、入国審査官又は入国警備官によるが調査を開始します。
- 意見聴取:本人に対して意見聴取を行います。正当な理由なく意見聴取に応じない場合は、意見聴取をしないでビザを取消することができます。
- 法務大臣による判断
- 取り消しの通知:永住ビザの取り消しが決定すると、申請者に通知が送られます。通知内容には、取り消しの理由や出国の指示が含まれます。
- 出国命令:取り消し後、通常は指定された期限内に日本から出国することが求められます。期限内に出国しない場合や逃亡すると疑うに足る場合は、退去強制となることがあります。
永住ビザ取り消しを防ぐためには?
永住ビザを保持している人が取り消しを防ぐためには、次のような点に注意することが大切です:
- 法令を遵守する:日本の法律を守り、社会秩序を乱さない行動を心がけることが最も重要です。
- 定期的なビザ更新と申請内容の確認:永住ビザ取得後も、自己の在留状況や社会的な立場をチェックし、問題がないか確認します。
- 正当な手続きと報告を行う:収入や生活状況に変更があった場合は、速やかに入国管理局に報告し、必要な手続きを行うことが大切です。
まとめ
2024年12月現在、永住ビザは取得後も維持するために、一定の法的義務を守ることが求められます。犯罪や法令違反、虚偽申告などによって永住ビザが取り消される可能性があるため、常に日本社会での適応と法令遵守を意識した生活が重要です。ビザ取り消しに関する手続きや理由について正しく理解し、適切な対応を心がけることが大切です。