税金・社保の「故意の未納」で
永住許可が取り消される新制度
永住権は「一度取れば一生安心」の時代が終わります。2027年4月から、悪質な未納があれば許可そのものが取り消される制度がスタートします。
在日外国人のみなさんにとって、日本の「永住権(永住許可)」は日本に安定して暮らすための最終ゴールとも言える重要な資格です。しかし、一度取得すれば将来ずっと安心という時代は終わりを迎えます。
2027年4月より、税金や社会保険(社保)の「故意の未納」がある場合、永住許可を取り消すことができる新制度がスタートする予定です。
「うっかり忘れていただけで取り消されるの?」「支払えない事情があってもダメなの?」と不安に思われている方も多いのではないでしょうか。今回は、入管が想定している「故意の未納」の具体的な中身と、今後の入管行政の厳格化にどう立ち向かうべきか、行政書士の視点から徹底解説します。
「故意に支払をしないこと」の定義
法案の中で注目されている「故意の未納」とは、単に「支払わなかった」という事実だけを指すのではありません。
具体的には、「支払義務があることを認識しているにもかかわらず、あえて支払をしないこと」をいいます。入管が想定している具体的なケースは以下の通りです。
自分に支払うべき税金や社会保険料があることを知っており、かつ、それを支払う十分な財産や収入(支払能力)があるにもかかわらず、自身の意思であえて支払いを拒んだり放置したりしている場合。
突然の大きな病気やケガ、予期せぬ失業など、本人に責任があるとは認めがたく、経済的に「やむを得ず支払ができない」ような正当な理由がある場合は、即座に取り消されることは想定されていません。
「救済されるだろう」という甘い認識は禁物
「事情を説明すれば、実際には取り消されないのではないか?」と思われるかもしれません。
確かに、取消事由に該当したからといって機械的に全員が取り消されるわけではなく、「不払に至った経緯」や「役所からの督促に対する永住者の対応状況(誠実に対応していたか)」など、個別具体的な事情に応じて最終的な判断が下されることになっています。
しかし、ここで皆様に強く警鐘を鳴らしたいのは、近年の入管行政の厳格化(引き締め)の波です。
ビザの審査期間が年々長期化している
永住許可ガイドラインも厳格化が進んでいる
入管の姿勢全体が、年を追うごとに厳しさを増している
ひとたび「取消事由に該当する(未納がある)」とシステム上で判断されてしまった場合、後から法的に救済されるハードルは極めて高いと考えられます。
「これくらいの遅れなら大丈夫だろう」「あとで払えばいいや」という甘い自己判断は、日本での生活基盤をすべて失う「最悪の事態」を招きかねません。
永住者が今すぐ実践すべき「厳格な自己管理」
2027年4月の新制度施行に向けて、永住者の方、そしてこれから永住を申請する方が取るべき対策は「完璧なまでのスケジュール管理」です。
支払期日の徹底厳守
住民税や国民健康保険料、国民年金など、特別徴収(給与天引き)になっていない公租公課がある場合は、必ず納期限までに支払いを完了させてください。
督促状・催告書を放置しない
万が一、手違いや忘失で未納が発生し、役所から督促状が届いた場合は、1日でも早く納付し、必要であれば役所の窓口で誠実に対応・相談した履歴(エビデンス)を残してください。
口座振替への切り替え
「うっかり忘れ」を物理的に防ぐため、可能な限りすべての支払いを口座振替やクレジットカード決済に登録することをおすすめします。
ポイント整理
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 新制度の施行時期 | 2027年4月から「故意の未納」による永住許可取消が可能に |
| 取り消しの対象 | 支払能力があるのに認識した上であえて支払わない悪質なケース |
| 取り消し対象外 | 病気・失業などやむを得ない事情がある場合 |
| 最大の注意点 | 事情があっても入管の厳格化傾向により救済のハードルは高い |
| 今すぐの対策 | 納期限の厳守・督促の放置回避・口座振替への切り替え |
大切な永住権を守るために、プロの目によるチェックを
今回の法改正は、在日外国人コミュニティにとって過去最大のターニングポイントとなります。「永住者だから大丈夫」という特権意識は捨て、これからは「税金・社保を1日も遅れずに払い続けること」が日本に残り続けるための絶対条件となります。
当事務所では、永住申請のサポートだけでなく、法改正後の永住資格の維持・管理に関するアドバイスや、過去の未納・滞納へのリカバリー対策のご相談も承っております。「自分の今の状況で2027年以降も大丈夫か不安だ」という方は、手遅れになる前に、ぜひ一度お気軽にご相談ください。


